中小企業の「広告代理店の選び方」と「見るべき10のチェックポイント」

中小企業の「広告代理店の選び方」と「見るべき10のチェックポイント」

満足度の高い広告代理店との関係構築は、長期的なビジネス成功において必要不可欠です。
AdPitchでは、満足度の高い関係を実現するためには、「広告主が代理店に求めること」と「代理店が提供できること」の擦り合わせることが重要であると考えております。
本記事では、広告主が代理店に求めることを明確にし、代理店が提供できることをチェックすることで、広告主と代理店との間のズレを極力減らす方法について記述しております。

要点
  • まずは、「依頼する広告代理店に求めること」を具体的に
  • 代理店に依頼する以外の選択肢を知る
  • 代理店選びにおける10つのチェックポイント

まずは、「依頼する広告代理店に求めること」を具体的に

広告主は、基本的には広告施策を運用するために、広告代理店を探していることがほとんどだと思いますが、単純に広告運用といってもメディアプランの策定、他施策とのデータ連携、クリエーティブ制作など、業務範囲は多岐に渡ります。
広告運用(制作物を入稿して、設定を調整・管理する業務)以外に、他にどんなことを代理店に求めているのか明確にすると、数多ある代理店から候補となる代理店が浮かんできます。
後述しますが、代理店はそれぞれ特徴があり、得意な媒体や業界、料金体系や契約条件などが異なりますので、依頼内容を明確にしたうえで、条件を満たす代理店を探してみてほしいです。

代理店に依頼する以外の選択肢も知ってほしい

さて、代理店に求めることを具体化させて、オリエンに向かいたいところですが、その前にもう1つ確認してほしいことがあります。それは広告運用する際の代理店以外の選択肢を吟味した上で、本当に代理店に依頼すべきかを確認してもらうことです。大きく、広告運用を行う場合には、代理店を含めて3つの選択肢があります。それぞれのメリットデメリットを記載しますので、今の広告主様の状況において最適な選択肢を判断してほしいです。

広告運用する際の3つの選択肢
  1. 広告代理店
  2. インハウス運用
  3. フリーランス

①広告代理店

メリット:
まず第一に、広告配信に必要な段取りは広告代理店側が行ってくれるため、広告主の負担が少ないです。成果を出すための仕組みや、多くの案件も運用しているとノウハウも蓄積しています。また媒体社から営業も受けているので、優先的に最新情報やメニューの提供を可能な場合もあります。
デメリット:
当然ですが、代理店に支払う手数料が発生します。多くの代理店では広告費の20%前度を手数料として設定していますので、広告予算が大きいクライアント様ほど、手数料は多くなります。仮に手数料20%で、月100万円分の広告運用を依頼する場合、年間240万円発生することになります。また、ノウハウが溜まっていかないので、広告運用で得た知見をどう資産化させるかを考えたうえで、代理店に業務を依頼する必要があります。

②インハウス運用

メリット:
内製化することで、手数料が不要となるうえ、その他の施策と広告の連携が行いやすいメリットがあります。代理店を経由する必要がないので、社内事情に併せて、素早く広告アカウントを更新することができます。最初知見が足りない場合は、インハウス支援をサポートしている代理店を多く存在しますし、広告代理店に頼みながら、質問を重ねることでノウハウを蓄積し、インハウスを目指すという方法もあります。
デメリット:
広告業界は常に新しい機能やノウハウがアップデートされており、情報の流れが非常に早いです。業界横断のノウハウや最新情報のキャッチアップもそれを組織として生業にしている代理店に比べると劣る可能性があります。

③フリーランス

メリット:
社員として採用するのではなく、広告運用に長けたフリーランスに業務委託することで、採用コストを下げた上で、スキルをもった人材を確保できます。
デメリット:
一定以上の出稿額になると、広告費の売り掛けができないことがある上、個人での対応のため、有事の際の対応できなくなる、などのリスクがあります。

代理店選びにおける10つのチェックポイント

代理店に依頼することに納得感を持っていただけたら、やっと代理店探しです。一般的に広告代理店は取り扱い予算の規模で区分されることが多いですが、大手だからといって運用能力が高いとはいえません。(フロント対応のみで運用自体は小規模代理店に委託しているケースも多々あるため。)
予算の多寡に関わらず、代理店は十分に吟味して依頼ほしいです。以下、各チェックポイントです。

  1. 最低出稿金額と手数料
  2. 広告費の立替可否
  3. 認定資格を保有しているか
  4. 運用経験/媒体
  5. 運用クライアント数
  6. 運用担当者との相性
  7. コミュニケーションの質
  8. アカウントの開示は可能か
  9. レポート提出や定例会の頻度
  10. 契約期間・中途解約
    <予算について>
  1. 最低出稿金額と手数料
  2. 各代理店によって、依頼を受ける際に最低の出稿額が決まっていることが多いです。代理店は多くは広告費*マージン(手数料率)で報酬を獲得するビジネスモデルのため、一定の広告費用を頂かないと経営が成り立たなくなってしまうためです。また、手数料も代理店によって異なります。20%前後が多いですが、手数料を非公開にして、広告費用の中に手数料や制作費などが含まれている会社も多く、単純に手数料の多寡で判断するのは難しくなっています。手数料に相当するバリューを出してくれそうか、というのが判断ポイントになります。

  3. 広告費の立替可否
  4. 代理店側で広告費を立て替えることができるか、できないかといった違いです。与信の関係で運用初期のみ先に費用が必要となる場合や、広告代理店側がキャッシュフローに余裕がない場合など、さまざまな理由で立替ができない場合が存在します。 広告主としても、キャッシュフローを考慮する必要があると思うので、先んじて確認しておく必要があります。

    <担当者について>
  5. 認定資格を保有しているか
  6. 1番わかりやすいのが、認定資格です。ある一定の基準は満たしていると考えて良いと思います。しかし、代理店のほとんどは資格を保有していますし、一定額の取り扱い高があって、単純に講義さえ受ければ獲得できる類の資格も多く、資格の獲得要件などもチェックしてみてください。

  7. 運用経験/媒体
  8. 契約を結ぶ前に確認するのは非常に難しいですが、具体的にどのような業界や媒体での経験があるのかを確認してみてください。単に運用経験だけでなく、実績で判断できるとより信頼度は高まります。よく”CPA200%改善!!”などレポートを目にしますが、前後でどう異なり、それがなぜなのか。また200%改善した後の経過はどうなっているのか、など詳しく聞いてみることで、能力がある程度わかることがあります。また、代理店によって得意不得意な媒体があります。媒体特性を十分に理解しているかどうかは非常に重要になってきますので、こちらも複数質問してみて、判断してみてください。施策目的に合わせたメディアプランを提案できる代理店が望ましいですが、媒体別で広告代理店を分けるというのも、1つの手段です。

  9. 運用クライアント数
  10. 運用担当者がクライアントを20-30社抱えていて、1つ1つへの対応が煩雑なケースも多々あります。実際はアカウントの分析や運用がほとんどできていない。といったケースもあります。もちろん担当者のスキルにより、運用できるアカウント数は増減しますので、参考程度でも良いかもしれませんが、ぜひ確認してみてください。

  11. 運用担当者との相性
  12. 代理店はパートナーでもありますので、実は最も重要な要素といえるかもしれません。対応の柔軟性・速度・質など、を見ながらフィーリングが合わないようであれば、早めに伝えるのが良いと思います。細かい運用が得意だったり、新規性の高いメニュー提案が得意だったり、代理店ごとに特徴があるのでぜひご確認ください。

  13. コミュニケーションの質
  14. コミュニケーションの質にもこだわってください。意図が正確に伝わらないと、時間がかかってしまったり、細かいニュアンスが間違っていたりすると重大なミスに繋がりかねません。そういったコニュニケーションコストを減らすためにも質の高いコミュニケーションが可能かどうかは重要になってきます。連絡手段や頻度など、求めるコミュニケーション方法が可能かどうか確認してみてください。

    <契約について>
  15. アカウントの開示は可能か
  16. 管理画面を共有できない代理店は多いですが、実際に運用している管理画面の共有は基本的には閲覧できるべきだと考えてます。ノウハウが漏れないための対策であったりしますが、広告主が理解を深めるという意味でも閲覧は可能な状況が望ましいです。実際に、広告アカウントは把握していなかったユーザーインサイトを含め、事業改善につながる重要な手がかりが多いです。いつでもアクセス可能、もしくは高い透明性が確保された環境を用意すべきです。

  17. レポート提出や定例会の頻度
  18. 予算規模に応じて頻度は決まってきますが、頻度が多ければ良いわけではないです。週次での簡易レポート&月1回の定例会開催、など最適な運用方法が可能か確認してください。

  19. 契約期間・中途解約
  20. 広告運用を依頼したものの、成果が見えないため代理店を変えたいが、契約で半年間は解約ができない。といったことを未然に防ぐために、契約期間については確認してください。最低6ヶ月以上の契約期間から、など代理店によって条件が異なります。仮に途中停止したい場合の支払い条件や担当者の変更の可否など、細かく確認してみましょう。

まとめ

上記チェックポイントを挙げさせていただきましたが、この評価ポイントは状況に応じて常に変化します。施策を重ねていくことで広告主の知見が高まり、代理店に求めることが変化する、というのがよく目にする理由になります。代理店側も絶えずキャッチアップすることで、長くお付き合いできることは素晴らしいだと思っていますが、一度サラにして検討してみるのも良いかもしれません。違いがわかることで既存の代理店の良さがよりクリアになるケースもございます。

AdPitchは上記項目をチェックした上で、実績のある代理店からの提案をご紹介いたします。ぜひ、お気軽にご相談ください。

<投稿者>
投稿者

榎 直 (ENOKI TADASHI)
株式会社QWERTY 代表取締役
株式会社QWERTYにて、デジタルマーケティング支援会社を経営。

経歴:1988年生まれ。東京工業大学修了後、株式会社電通に入社。
様々な業界のクライアントに対してメアディアプラニング、デジタルマーケティング、新規事業開発支援を行う。 退職後、システム開発をメインに個人事業主として活動し、株式会社QWERTYを設立。多くの中小企業のマーケティング施策を支援。

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